第814話 【番外編】アマビエさん、かぶりつく

 かぶりつくとトマトが割れて、酸味のある液体が口内に広がる。


「……あれ?」


 意外と美味しい。ピザとまではいかないが、小麦粉とトマトが絡み合ってけっこう乙なイタリアン風味になっていた。


「お兄ちゃん、センセイの提案はすごいでしょ?」

「ケチャップと粉チーズをかけると、もっとイタリア風味になりますよ」

「なんだ、センセイは作ったことあったのか」

「はい。うちにも一台、大きいのがありますから」


 あの超おしゃれなマンションにたこ焼き器がある。そう思うと、なんとなく違和感がぬぐえなかった。


「……で、問題はこれだ」

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