第805話 【番外編】アマビエさん、寝そべる

 室内を睥睨した妹はそう切って捨てた。アマビエさんは速攻で床に寝そべり、「悪くない」とほざいている。


「アマビエさん、起きて。そこでたこ焼きを焼くんですから」

「横で焼けば良い」

「アマビエさんはかさばるんだから無理ですよ」

「かさ……」


 アマビエさんは僕の表現にちょっと動揺したらしく、起き上がった。


「アマビエ、かさばらない」

「いいからその姿勢でじっとしててくださいね」


 この妖怪に動かれると、せっかく綺麗にした部屋をぐちゃぐちゃにされそうだ。あらかじめ釘を刺しておく。


「じゃ、まず具材を切っていきましょう」

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