第792話 【番外編】アマビエさん、ギドラは見た?

 僕は時給のことをすっかり忘れていた。


「……まさか、払えないとは言わないよな?」

「い、いえ。そのくらいなら、なんとか財布の中にあったはず」


 すごまれて、僕は残り少ない現金から支払いをすませた。また下ろしに行かなくちゃ。


「無事にお支払いいただけてよかったです。もし踏み倒そうとした場合」

「した場合?」

「アマビエにしか見せていない、私の三本目の首を出さなければならないところでした……」

「……あるんですか、そんなの」

「フフフ」


 本当なのか嘘なのか。ヨゲンノトリさんの表情からそれを読み取ることはできなかった。

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