第763話 アマビエさん、猫なで声

「た・べ・た・い・の」


 お・も・て・な・しと同じトーンで言われて、僕は絶妙に腹が立った。


「うーん……」

「ダメですよ社長、甘やかしちゃ。そのうちホントにトドみたいになりますよ」

「それもそうだねえ」


 アマビエさんが、鬼のような形相でこっちをにらんできた。


「それでもアマビエもかわいそうだしねえ。じゃ、折衷案でいこうか」


 社長の提案から程なくして、僕たちは某有名中華チェーン店にいた。テーブル席について水を飲んでから、僕はため息をつく。




【薬局あるある】

 利害が対立したときは、どっちつかずの折衷案を提案しがち。

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