第758話 アマビエさん、サンバ

「リバロ、リバロ」

「リバロ……」

「りばろおおおお!!」


 突然、サンバでも踊り出しそうなアマビエさんの声が響いた。


「いきなりなによ、耳が痛くなるからやめてってば」

「りばろ!!」


 アマビエさんはクタベさんの苦情にも構わず、小さな箱を高々と掲げてみせた。


「そ……それって!!」


 間違いなく、探していたリバロ(百錠、未開封)だった。室内が軽くどよめく。


「どこにあったんですか!?」

「そこ」


 アマビエさんが指さしたのは、ジェネリックの「あ」の棚だった。




【薬局あるある】

 行方不明の薬を発見した人は声が大きくなる。

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