第725話 アマビエさん、吐く
「コオオオオオオ」
アマビエさんの口の中に、何やら黄色い粉が吸い込まれていく。皆が注目し、知らず知らずの間に拳を握っていた。
「ムフッ」
アマビエさんはハムスターのように頬を膨らませて、もぐもぐとそれを咀嚼している。しかしだんだん、嫌いな物を食べている時のような顔になっていった。
「ムム」
「吐くって」
クタベさんが通訳すると同時に、僕たちは全力でアマビエさんを店の外に押し出した。自動ドアが閉まった先で、アマビエさんが消火器のように花粉を噴出しているのが見える。
【薬局あるある】
たまに局内で吐く人もいる。
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