第694話 【番外編】アマビエさん、納豆を知らず

「残りはどんなのがあるんですか?」

「昔の人の言うことだから、そんなに突飛な食材はないよ。でも、納豆茶漬けなんてのは変わってるかな」

「納豆……」


 実は僕は苦手で、一度も食べたことがない。妹はセンセイにつられて食べるようになっていたが、家族の中で食べられるのは彼女だけだった。だから、味の想像すらつかない。


「アマビエさんは納豆好きですか?」

「そもそもそれはなんだ」

「発酵させて、独特の匂いと味がする豆ですね。腐ってるみたいに糸を引きます」

「なぜそんなものを望んで食う」


 真面目な顔で言われると、僕も返答に困った。

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