第691話 【番外編】アマビエさん、すり寄る

 それを両方吸ったご飯は、出汁とはまた違うコクがあってやみつきになる。


「最近は冷凍食品も美味しくなったけど、自分で作るとまたいいだろ?」

「そうですね、これのレシピもください」


 僕は薬局長に頼んだ。材料を炊飯器にいれてスイッチを入れるだけでいいなら、僕や妹でもできそうだ。


「作ったらアマビエを呼ぶのだぞ」


 アマビエさんがすかさず寄ってきた。


「社長のうちでやってくださいよ。うちは狭いから、アマビエさんが入ったらいっぱいになっちゃいます」


 一人暮らしで散らかった部屋にアマビエさんを入れるわけにはいかないので、断った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る