第674話 【番外編】アマビエさん、動けない

 少なくともさっきの一瞬はめちゃくちゃ怪しかった。


「そもそもなんで庭にいたんですか!」

「クタベの結界をごまかすために、アマビエ暗視モードで近付いたわけだが……母屋にはどうしても入れなかった」


 さすがクタベさんの結界、ハイスペックである。


「悔しいから庭から様子をうかがっていたが……先にあの女に見つかってな。華麗なる一本背負いをキメられたというわけだ」

「こんなぬるりつらりとしたものを一本背負い……!」


 奥さん、いったいどんな経歴の人なんだ。


「我の心配をしろよ、ヤクザ。この通り腰を打って動けない」

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