第672話 【番外編】アマビエさん、まさか……?

「ほんと、この昆布もひじきも美味しいわ」

「どこで買ったの?」


 薬局長夫妻も楽しんでくれている。和気藹々と食事と酒が進み、いつの間にか開始から一時間くらい経っていた。


「──さて、そろそろ炊き込みご飯の方に」

「待って」


 不意に、奥さんが立ち上がった。彼女は眉をひそめ、庭の方をじっと見ている。


「庭で薬味をとってくるから。添えると味が変わるのよ」

「わざわざ今からなんて、いいですから」

「気にしないで」


 奥さんはそう言って出て行ってしまった。僕たちが顔を見合わせていると、庭から不意にドスンバタンと大きな音が聞こえてくる。

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