第659話 【番外編】アマビエさん、放置プレイ

 振り返ったクタベさんに、無言で画面を見せる。


「……勘づいたか。妙なところで鋭い奴ね」

「どうしましょう。仲間はずれも、なんか気の毒かも……」

「いいのよ。ヨゲンノトリさんからも、これ以上バカ食いさせるなと厳命を受けてるんだから」

「返信します?」

「放っておきましょ。ヘタにつついて、場所を悟られる方が厄介よ。後でモメたら私がなんとかするわ」

「ま、一回くらい痛い目みたほうがいいだろ、あの食欲妖怪」


 クタベさんは余裕をみせた。アマビコさんもそれに同調する。僕はうなずいてスマホを閉じ、バッグにしまった。

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