第656話 【番外編】アマビエさん、薬局長の家を知らない

「いらっしゃい。お待ちしていましたよ」


 いかにも大和撫子といった品のある顔立ちに、黒いロングヘア。雑誌のモデルと見まがうばかりのこの人が、薬局長の奥さんだ。


 けっこう年がいってから薬局長と結婚した、と聞いていたが、モテすぎて選びきれなかったのではないかと僕は彼女を見て思った。美男美女カップルってまぶしい。


「お邪魔します!」

「お酒がたくさんあるんですけど、どこに置けばいいですか?」

「じゃあ、悪いけど台所まで持ってきてもらえる?」


 出されていたスリッパを履き、廊下の先のリビングに入る。


「うわー、明るいですねえ」

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