第655話 【番外編】アマビエさん、お宅訪問できない

 外は開発の真っ最中のようで、建設中のマンションがいくつも並んでいた。


「薬局長のお家もマンションでしたっけ?」

「うちは戸建てだよ。庭がどうしても欲しくてね、ちょっと無理した」


 車は建て売り住宅が並ぶエリアに入っていった。薬局長の言う通り、どの家にも玄関先に六畳程度の広さの庭がついている。子供の遊具を置いたり、ガーデニングの場にしたりと、使い方は様々だった。


「さ、どうぞ」


 薬局長の自宅は、グレーの外壁に黒屋根のおしゃれな建物だった。ガレージから玄関にお邪魔すると、奥からほっそりした女性が出てくる。

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