第651話 【番外編】アマビエさん、置いてけぼり

 デパ地下の一角には、色々な佃煮が並んでいた。とりあえず昆布、山椒、梅ひじきの袋を籠に放り込む。


「今日のオススメは貝の佃煮ですよ。一緒にいかがです?」


 買いこむ僕たちを見て、店員さんが声をかけてきた。押せば買ってくれると思われたのだろう。


「貝って、何があるんですか?」

「アサリとシジミが大変お買い得。本日は両方買っていただくと、十パーセント割引です」

「じゃあどっちも買います」

「決断、早っ!」


 僕がおろおろしている間に、事務の子はさっさと話をまとめてしまった。……まあ、余ったら家に持って帰ればいいか。

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