第644話 【番外編】アマビエさん、おちょくる

 なんでも、炊きあがった飯が桜色に見えることからこの名前だそうだ。僕は恥ずかしくてうつむいた。


「まあ、無理もない。桜の塩漬けを混ぜたご飯も、実際あるそうだぞ」


 アマビコさんはフォローまでしてくれる。本当に常識のある妖怪だ。


「蛸が蛸食べてどうする」

「うっさい半魚!! 俺は蛸じゃないし!!」


 アマビエさんは本当に大人げない。


「ヨゲンノトリさんとクタベさんはどうです? 何がお好きですか?」


 問うと、まずクタベさんが口を開いた。


「私が一番好きなのは、中華風のお粥ね。白沢の部分がそうさせるのかもしれないけど……」

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