第643話 【番外編】アマビエさん、脂肪と糖の信者

「我は脂肪と糖が大好きなんだから仕方あるまい!!」

「清々しいほど開き直るな!!」


 ヨゲンノトリさんの黒い頭と、アマビエさんがにらみ合う。僕はその間に、アマビコさんに寄っていった。


「アマビコさんは、どんなご飯が好きですか?」

「そうだな。最近は糖質制限をしているからご無沙汰だが……桜飯が好きだ」

「あれ」


 僕は、ご飯の中に桜の塩漬けが混じっているのを想像した。見た目に似合わず……といっては失礼だが、ずいぶんかわいらしい趣味だ。


「……何か変な誤解をしていないか?」

「え?」

「桜飯というのは、蛸の炊き込み飯のことだぞ」

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