第639話 【番外編】アマビエさん、童心を発揮

 不意に、知った声が会話に割り込んできた。


「なんだ、お前か」

「お前とはなによ。かわいい妹がせっかく来てやったのに」


 妹とセンセイがやってきた。そういえば、今日は午後の授業がないと言っていたな。


「そんなこと言って、カレーパン屋に来ただけだろ」

「ばれたか」


 一度土産にやったらえらく気に入っていたので、予測は簡単にできた。


「アマビエさんにはあげないでよ。一気食いしてひどいことになったから」

「モウ、シナイヨ」


 妖怪は子供のように口をとがらせてそっぽを向いた。


「嘘っぽい口調だなあ。それに今は、ご飯の話をしてたんでしょ」

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