第607話 アマビエさん、貢ぎ物を要求する

「僕たちも分からないけど、そういうことになってるんです」


 これでもう一体人外がここにいる、とわかったら、この人は卒倒するんじゃないかしら。


「……まあ、なのでお気になさらず……また来て下さい」


 薬局長はそう言ったが、配送さんはたいした返事もせずに駆け去っていった。移動願いとか出されたら、困ったことになる。


「ふん。次は貢ぎ物でも持ってくるがいい」

「あんた、いい加減にしなさいよ」


 クタベさんが後ろからアマビエさんをはたいた。



【薬局あるある】

 配送さんはたまに入れ替わる。新しい人が場所に慣れるまでが大変。

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