第576話 アマビエさん、魚類なのか?

「ヤクザ。前と後ろの荷台から、袋を下ろしてくれ」


 確かに、後ろにも袋が搭載されていた。アマビエさんは指一本動かす気がないらしく、黙ってそれを見つめている。


「……帰りが遅いと思ったら、買い物してたんですか」

「あの建物の近くに、大きな商店街があってな。なかなか安くて品揃え豊富だぞ」


 金を気にしたことのない妖怪が、主婦のようなことをのたまう。


「ビールと……この後ろの袋はなんですか?」

「さつまあげ」

「魚の妖怪が魚食べるんですか?」

「我は魚ではない」




【薬局あるある】

 自転車で移動中、良さそうな店を見つける。寄らないけど。

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