第575話 アマビエさん、ビールを買う

 自転車を押しながらゆっくり歩くのは、アマビエさんではなかった。見たこともない、元気の良さそうなお兄ちゃんがアマビエさんの横に居る。


 しかも、自転車の籠には大きなビニール袋が入っていた。うっすら透けて見えるその中身は、ビールの缶のようだ。


「すまんな、配達してもらって」

「たくさん買ってもらいましたから、特別です。これからもごひいきにお願いします」

「うむ」


 僕は呆然としながら、近付いてくる自転車を見つめていた。お兄ちゃんは自転車を止め、溌剌と挨拶をして去って行く。



【薬局あるある】

 休み時間なら、買い物する人もいる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る