第571話 アマビエさん、配慮がない?

「ヤクザ、お前はもっと精進しろよ」

「アマビエさんはもっと痩せた方がいいと思います」


 アマビエさんが無遠慮に言い放つ。僕も言い返した。しばし、妖怪と人間が狭い部屋の中でにらみあう。


 その時、僕のスマホが鳴った。


「はい、もしもし?」

「ごめんね、もうそろそろ終わる頃かと思って。新患で一包化の患者さんが来ちゃったんだけど、戻ってこられそうかな?」

「すみません薬局長、すぐ行きます!」


 人外と揉めている場合ではなかった。僕は慌てて上着を羽織る。




【薬局あるある】

 人がいない時間帯に限って、患者の波が来てしまう。

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