第555話 アマビエさん、吠える

「変わったファッションの方だなあと」

「人の外見をとやかく言うのは悪趣味ですよ」

「お二人とも目は確かですかっ!!」


 僕は怒り散らして、すっかり疲れてしまった。


「とにかく。これはアマビエって言って、うちに入り浸ってる妖怪なんです。薬剤師でもなんでもないんですから、外で待っていてもらいます」


 かすれた声で僕が言うと、アマビエさんはふんと吠えた。


「……ここは、清浄さが何よりも求められる場所と聞いているが」

「ええ、その通りですよ」



【薬局あるある】

 初対面同士で会うと、意外なことがスルーされがちに。ちゃんと聞こう。

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