第548話 アマビエさん、堂々と嘘をつく

「何を言う。最近、処方箋は全部『ふぁっくす』とやらで送っているではないか。それに、受診日はもう少し先だ」

「じゃあ、今日はなんでここに?」

「わくちんの手伝いを見学しに行きたい」

「……な、なんでまた」

「衆生のために頑張るお前を見ておくのも、悪くはないかと思ってな」


 アマビエさんは無駄に格好良く微笑んだ。目の中に「嘘」と書いてあるのが見える。


「……本当のところは?」

「なんか面白そうだから」


 そっちの方がアマビエさんらしかった。



【薬局あるある】

 もちろん、ワクチンの調整室は、普通は関係者でなければ入れてもらえない。

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