第525話 アマビエさん、聞き役

「……こういうわけで。平均したら、一日一時間は自転車に乗ってます。けっこうな運動量でしょ?」

「それは確かに」


 アマビコさんに配達の経緯を軽く説明し、僕は屈伸運動をした。


「しかし、接触ができないんだろう? 薬はどうやって渡すんだ」

「まあ、ポストに入れるとか、ドアノブにかけるとかが一番多いですね。僕は離れて見てて、患者さんが受け取るのを確認したら作業終了です」

「それは無責任というのではないか?」


 根が真面目なアマビコさんは、心配そうに顔をしかめた。


【薬局あるある】

 感染ピーク時は、しょっちゅう配達の電話が鳴った。

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