第490話 【番外編】アマビエさん、強敵を認める

「は、はいっ!」


 事務の子は網を構え、そのまま振り抜いた。危ういところだったが、獲物は網の中におさまる。


「やったあ!」


 事務の子が捕まえたのは、「オオカブトアルマジロ」だった。威嚇するような大きな頭を持ち、鋭い爪で土を掘って地中に沈む。こちらも高く売れるレア種である。


「ぐぬぬ、なかなかやるな」


 アマビエさんが悔しがっている。同じ事をやろうにも、アマビエさんのエリアには色が変わった土はない。


「移動します?」

「……いや、やめよう。時間がもったいない」


 自分の強みを生かす方向に舵を切ったアマビエさんだった。

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