第485話 【番外編】アマビエさん、大物狙い

 その後も、さほどレアとはいえないが、目に見えた個体を確実にとらえていく。そして、鞄が圧迫されてきたら手放していた。


「言うことは聞かないのに、手堅いな」

「経験者の余裕、王道の戦略と言ってちょうだいよ」


 兄の揶揄を、妹は軽く受け流した。見ていても面白いことが起こらなさそうなので、僕はアマビエさんと事務の子を注視することにした。


「アマビエの勘が告げている」


 アマビエさんのキャラは、意味ありげにたたずむ大木の前に陣取っていた。


「ここに、求めている希少種がいると」


 そう言うやいなや、網を木に向かって振り回した。


「あ」

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