第482話 【番外編】アマビエさん、締める

「それを、三十分で釣ったんですか……」

「僕たちの少年漫画的な展開は一体……」


 肩を落とす僕たちを見て、薬局長は頭をかいた。


「いや、そんなに貴重なものなんて知らなくて。たまたまだよ」

「はい、そうですよね……わかってます」


 落ち込んでいるこちらの器が小さいのだ。それは分かっている。


「……努力では買えないほどの幸運、というのもあるものだな」


 アマビエさんのクールな一言が、僕の眉間に突き刺さった。


「結論は出ました。我々は潔く負けを認めましょう。薬局長に拍手!」


 センセイの宣言のもと、釣り大会は無事に終了した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る