第451話 【番外編】アマビエさん、譲る

「最初の一切れは、主賓に食べてもらうことになっていますので。皆さん、いいですね?」

「異議なーし」

「いつもお世話になってまーす」


 薬局長はみんなの声をうけ、恥ずかしそうに頭をかいていた。


「うむ、そういうことならば」


 いつもは自分がセンターポジションのアマビエさんも、大仰にうなずいている。


「……えっと、この皮を使えばいいのかな」


 薬局長はクタベさんに聞いた。さっきの生春巻と違い、ベージュ色の小麦で作った皮が付属している。


「はい、そうです」


 クタベさん、出身国の食べ物のため、いつもより口が滑らかだ。

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