第450話 【番外編】アマビエさん、ひと安心

「あれ、結構がっつり肉ついてるね」

「本当だ」


 実物を見て、僕はびっくりした。紙のように薄いものかと思っていたが、皮付き焼き豚のように肉がしっかり付着している。


「本場ではこうやって厚く切るみたいですよ」

「それに、余った肉もちゃんと使ってるわ」

「そうそう、北京ダック頼むと炒め物がついてきて。余ったお肉はそっちに入ってますよ」

「……ならば許す」


 アマビエさん、矛を収めた。顔色も元に戻って、ひと安心である。


「それでは薬局長、最初にどうぞ」

「え、僕? なんで?」


 クタベさんに言われて、薬局長が目を丸くした。


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