「つきませんよ！　あなたじゃないんだから」

「飛べなくなるがいい」

「ほらほら、喧嘩してないで。アマビエさん、せっかくのアワビですよ」

　薬局長が間に入ってくれて、アマビエさんはようやく落ち着いた。大胆に数きれのアワビをつかみとり、むしゃむしゃと噛み砕く。

「……かかっている調味料はうまいが、この貝はよく食うぞ」

「ええ！？」

「そういえば海の生き物だった……」

「アマビエの『これ食えるかもセンサー』はすごいのである」

　最近アワビが不漁だと言われているが、もしかしたらアマビエさんのせいなのでは……と僕は思った。

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