第438話 【番外編】アマビエさん、まだ驚いている

 このゲームには、ユーザーが建築物や服をデザインできる機能がついている。上手く使えば、誰も見たことがない島を作り上げることも可能、なのだが……


「使ったことないよな」

「ないよねえ」


 デザインは自分でドットをぽちぽち打たなければならない。そんなことをしなくてもある程度美しい街になるため、僕ら兄妹は一度も作ったことがなかった。


「なんで作ろうと思ったの?」

「既存品はファンタジー色が強いでしょ。私、メカと現代アート信者だから」


 センセイは事も無げに言うが、何十時間もかかった力作である。僕らはしばらく、景色を堪能した。

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