第412話 【番外編】アマビエさん、入室

「うわあ」

「うわあ」


 僕と妹は、全く同じ反応を示した。


 軽く二十畳はあるであろう広大なリビング。基本的な色調は黒と白で統一されており無機質な印象を与えるが、ところどころに飾ってある珍妙……いやハイセンスな現代アートが激しく主張してくる。


「これは何が描いてあるの……?」

「ヒトデじゃない?」

「若い感情のほとばしりだって」


 僕たちはそれ以上のコメントを避けることにした。


「これは、ご両親がお好きなの?」

「はい。超有名な作家は買えませんが、新人画家のものは時々買ってますよ」


 センセイのセンスは親譲りのようだ。

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