第410話 【番外編】アマビエさん、エレベーターに乗る

 少し問題はあったが、僕たちは無事にエレベーターまで辿り着いた。


「何階?」

「四十二階」


 センセイがエレベーターを呼ぶ。箱の中に入ったまではよかったが、上昇を始めるとアマビエさんがパニくり始めた。


「きええええええ」

「なんですか! 声をあげないで!」

「吸い上げられるうううう、食われるううう」

「機械が動いているだけです!」


 クタベさんは必死に説明するが、アマビエさんには通じない。結局箱が止まるまで、アマビエさんは顔を真っ白にしていた。


「……人間世界で生活してるのよね? エレベーターくらい乗ったことあるでしょう!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る