第380話 アマビエさん、現実逃避

 アマビエさんになでりなでりされているファックスを見ながら、僕はさらに聞いてみた。


「どうして今日は待合じゃなくて、調剤室にいるんですか?」

「……追っ手から逃げている」

「ヨゲンノトリさんですか」


 アマビエさんはものすごい勢いでうなずいた。


「今日はクタベさんが休みだからって……」

「ははは、いないのを確認して入ってきた」

「全くもう」


 アマビエさん、いい加減懲りてほしいのだが。せっかくスリムになってきたんだし。


「もう一人きたよ」

「まとめて下ろします」


 僕は薬局長から紙を受け取った。


【薬局あるある】怒ってくれるうちが華。

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