第378話 アマビエさん、見苦しい

「では、そろそろ閉めましょう」

「はい」


 駆け込みの患者さんもいなかったので、僕たちはシャッターを下ろした。着替えをすませ、防犯システムを作動させる。


「お疲れ様でした」

「おつですー」


 駅に向かって歩き出した時、見慣れたシルエットが目に入った。


「もっと飲むう」

「ダメですよ! ビール許可したからって、十数杯飲んでいいとは言ってません!!」

「こいつ、常に裏をかこうとするな……」


 ダダをこねる三本足を、双頭の鳥が引っ張っていく。僕はその後ろ姿に手を合わせた。


【薬局あるある】明日も元気に出勤、これが一番!

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