第331話 【番外編】アマビエさん、寝る

 つられて僕もアイスをなめてみる。確かに、思ったよりすんなり食べられた。


「甘い物は別腹ですね、アマビエさん」

「ぐおおおおおお」

「もう寝てる」


 食事を全て腹に収めると、もう用はないとばかりにアマビエさんは眠ってしまった。


「あーあ、しょうがないなあ……」


 四人がかりで床に横たえ、毛布をかける。アマビエさんは全く起きず、この世の春という顔で呑気にいびきをかいていた。


「ごおおおお」

「オッサンみたいないびきだよねえ」

「ズオッ」


 奇妙な音がして、アマビエさんの呼吸が止まった。僕たちは無言で、顔を見合わせる。

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