第308話 【番外編】アマビエさんの過去①

「ばあちゃん?」

「ここ、元は俺のばあちゃんの家だったんだよな。ある日突然、アマビエが庭の池に浸かっててさ」

「暑かったのである」


 それはさぞかし驚いたことだろう。


「ばあちゃん、『まあ可愛い』っつって写真とりまくってさ」


 剛胆なのは血筋のようだ。


「アマビエもなついてたんだけど、ばあちゃん年で足腰が弱ってきてさ。家事もしんどいし一人にしとくのも心配だから、老人ホームに入っちゃった。それで、俺が引き継いだ形」

「残念であったが、加齢による衰えにはアマビエも無力である」


 アマビエさんが悔しそうな顔になった。

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