第305話 【番外編】アマビエさん、くつろぐ

「君はそれでいいの? 専門的なマシンならあるよ」


 社長がセンセイに聞く。彼の指先には、三面モニタのごついパソコンがあった。


「いや、本格的な作業は家でやります。一人だけ離れるのもつまんないので」

「そう」

「アマビエから離れたくないのであろう」


 アマビエさんはだらりとゴザの上に寝ながら、尊大な言葉をつぶやく。


「相変わらずですねえ。そこがいいんですが」


 ひとのいいセンセイは、文句も言わずに下書きを始めている。


「……クタベさんが登場した時は、自信をなくしてましたけどね」


 僕がつぶやくと、アマビエさんの目がつり上がった。

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