第302話 【番外編】アマビエさん、やはり和風好き

 てっきり実業家らしいタワーマンション住みかと思ったのに、見えているのは純和風の平屋だった。敷地面積が広いため、巨大なバス型車が止まっても「まあこんなもんか」で済ませられる。


「本当に、ここに住んでるんですか」

「数年前からね」


 社長はそう言って、広い日本庭園を案内してくれた。個人の所有物なのに、以前見た温泉の庭園よりはるかに広い。


「ポーズ」


 アマビエさんは枝ぶりのいい木の前にくると、写真を要求する。すっかり習慣になってしまったようだ。


「あ、季節の花とアマビエさんいいですね。次回作の参考にします」


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