第292話 【番外編】アマビエさん、おののく

「あらら」


 指定金額に、五十円以上足りない。買い直しである。僕は「呼び出し」ボタンを押した。


「どうしました?」


 小窓が開いて、駅員さんが出てくる。


「ギャアアアアアアアアア」


 アマビエさんは完全に怯えて、妹の影に隠れてしまった。トラウマになったようである。


「……あの方は?」

「気にしないでください。押し間違えて買っちゃって」


 素直に申し出ると、すぐ返金してくれた。僕は二人分の切符を買い、みんなのところに戻る。


「あの機械は人を食らう……」

「だから違いますって」


 説明したのだが、アマビエさんはどうしても納得しなかった。

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