第287話 【番外編】アマビエさん、緊縮生活

「どこにも行けない」

「緊急事態宣言、出ちゃいましたからねえ」

「ヒマ」

「だからって僕の家でじたばたしないでください。密集するのはダメなんですよ」

「大丈夫。アマビエだから」


 理屈はそうなのだろうが、僕の家だってそんなたいそうなものがあるわけではない。どうしようかな、と悩んでいると電話が鳴った。


「やあ」


 アマビエさんの保護者、社長だった。


「アマビエいる?」

「いるぞ」

「やっぱりそこか。迷惑かけてごめんね」

「……それはいいんですけど、なんで僕の電話番号知ってるんですか?」

「ははははは」


 明確な返事はなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る