第268話 アマビエさん、どこにいる?

「クタベさん、ありがとう。疲れなかった?」

「いえ、全然」

「患者さんも喜んでた。可愛い子が入ったって」

「ありがとうございます」

「そうだ、お昼行ってきて」


 患者さんのピークをさばききり、待合が空になった。事務の子が、先輩として指示を出す。


「お昼……?」

「ごはん、食べないの!?」

「はい。別に食べなくても死なないので。必要性を感じません」

「それもそうだね。アマビエさんたちは食べてるけど」


 食欲の権化のような妖怪しかいなかったので、そういう発想がなかった。


【薬局あるある】可愛い受付嬢は、どこだって人気者。

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