第245話 アマビエさん、Uターン

 やってきた女性は、緊張した面持ちだった。しかし年下の子に教えられても、嫌そうな顔をせず素直に聞いている。ピーク時は流石に辛そうだったが、これも時間がたてば慣れていくだろう。


(僕も、最初はそうだったな)


 気持ちが分かるからこそ、「なんでも聞いて」と言っておいた。彼女はうなずき、礼をのべる。そんな時、アマビエさんがやってきた。


(あっ、忘れてた)


 ここに勤めるなら、アマビエさんたちも紹介しておかないと──そう思った次の瞬間、アマビエさんは出ていってしまった。



【薬局あるある】新人は、常連さんの顔を覚えるのが大事。

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