第243話 アマビエさん、面白がる

「下手の考え、休むに似たり。ただし薬局長は別」

「し、失礼な」

「エコヒイキですよ」

「電話」

「え」


 アマビエさんが反り返った時、本当に電話機が音をたて始めた。薬局長が受話器を上げる。


「あ、はい……そうですか。ご活躍をお祈りします」


 しばらく話した後、薬局長はため息をつきながら電話を切った。


「四十代の人、辞退だってさ。前の職場から声をかけてもらったから、そっちに行くみたい」

「勝手が分かっているなら、その方が楽だからな」


 楽が大好きな妖怪が言った。


【薬局あるある】連絡先がわかっていれば、前の職場から打診されることも。

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