第238話 アマビエさん、高みの見物

「ひょこっ」

「入ってくる擬音をわざわざ口にしなくても」


 アマビエさん、人間世界に慣れてやることがあざとくなっている。


「どうだった? おしゃれしてきおって」


 シャツを褒められた。大きなアマビエアイは、わずかな変化も見逃さない。


「……来ませんでした」

「ははははは」


 爆笑された。


「笑うことないじゃないですか」

「いいではないか。変な奴が来て、ねちねち質問されるのを考えてみろ」


 想像してみた。確かにそれよりは、ましな気がする。


「明日以降もあるんだろう? 気に病むな」

「はい」


【薬局あるある】へこんでいても、仕事は待ってくれない。

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