第237話 アマビエさん、おでかけ中

「え? え? 何ですか?」

「すみません、ちょっと事情が。辞退されますか、それとも別の日に?」


 こちらの都合だけで会話してしまったことを詫びながら、僕は会話を続けた。


「……今日の方、辞退です」

「わかった。レセのチェックがはかどるなあ」

「お手伝いしますう」


 なんだか肩すかしをくらった気分だが、朝より気分はさわやかだ。しかし、結局一度も希望者と顔を合わせていない。おしゃれは襟元からとちょっといいシャツを着てきた自分が馬鹿みたいで、僕はため息をついた。


【薬局あるある】ちゃんと連絡がつく人は、それだけで高評価。

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