第236話 アマビエさん、助けてくれない

「病気とか?」

「電車の遅延かもしれないね。ネットで調べてみて」


 僕は薬局のパソコンで調べたが、全線通常運転中である。


 阿呆のように待ったが、応募者は気配すらみせなかった。患者さんがやってくる時間になったので、僕は二階に上がる。


 薬局長が、無言で履歴書をシュレッダーにつっこむのが見えた。


 午後からも、一件面接が入っている。僕らがぴりぴりしながら待っていると、電話が鳴った。


「都合が悪くなったので面接をキャンセルしたいんですが……」

「ありがとうございます!」



【薬局あるある】辞退の電話さえせず、無言ブッチ切りの応募者。

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