第209話 【番外編】アマビエさん、豪族と化す

 アマビエさんは手を動かす。右手で牛肉、左手で豚カツという両刀遣いだ。


「うむ? もうなくなった」


 百グラム三千円の肉なのだが、遠慮もなにもあったものではない。


「同量追加で」

「かしこまりました」


 アマビエさん、いくと決めたら容赦ない。瞬く間に、肉が運ばれてきた。


「焼く前に、カレーも食べてみる?」

「いただこう」

「俺も!」

「はいはーい、皿だして」


 取り分けてもらったカレーを、人外たちは大事そうに口に運んだ。


「……!」

「……!!」


 驚きの表情を浮かべ、アマビエさんとアマビコさんは目配せをする。両雄、ついに和解か。

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