第204話 【番外編】アマビエさん、意識が高い

「もっとお手軽なのもありますよ?」

「金を落とした方がいいだろう。混み合っているとは言えんぞ」


 アマビコさん、さすが苦労しただけあって周りが見えている。


「……そのアホも同じ思考なのが気にくわないが」


 ぷいと顔をそむけたが、こういう時にプライドを捨てられるのが器の大きな証である。


「よおし、私もカレー五杯頼んじゃいます」

「えっ」


 事務の子が腕まくりをした。さすがに僕は止める。


「カレー好きなのは知ってるけど、五杯は無理だよ。いつも食べてるお弁当の量だって、普通じゃない」


 僕がそう言うと、事務の子は顔を赤らめた。

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