第198話 【番外編】アマビエさん、外に夢中

「ほら、お兄ちゃんも早く決めないと」

「……じゃあ、アイスのウーロン茶」


 つくづく冒険ができない体質なのだ、と思い知る。


「お兄ちゃん、鉄板しか頼まないねえ」

「梅酒だって定番だろ」

「まあまあ、いいじゃないですか。ウーロンおいしいですよね」


 事務の子に笑顔でなだめられると、兄妹喧嘩もすぐおさまる。さすがのコミュニケーション能力だ。


「アマビコさんとは何の話を?」

「ひととおり成り上がり記を聞かせてもらいました」


 センセイの眼鏡が、日をうけてきらっと輝いた。


「そうそう、『アマビコ』を覚えてもらうための工夫とか」

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